平井伯昌(まさのり)五輪2大会2種目金メダルの北島康介を発掘し、育てた名伯楽
その後数々のメダリストを育て、最近では萩野公介、寺川綾にも指導に当たる
現在は東洋大学で教鞭を執りながら同大学水泳部監督、また日本競泳代表ヘッドコーチも務める指導法とは?
図書館にいるようなつもりで勉強した
早稲田大学を出て内定していた保険会社を辞退し、東京スイミングセンターにプロのコーチとしてのスタートをきる
通常、皆は昼出勤をするが、朝の9時から出て図書館にいるよなつもりで勉強した
やはり名伯楽になるような人物は皆と同じような行動をしていたわけではなく、初めからコーチとしての姿勢が常人ではないことを示している
トレーニング方法をはじめ、あらゆるものについて常に最善のものを追求してゆく姿勢
また選手自身を知ること、才能を見極めることをコーチの基本姿勢におき、いつでもプールサイドに立つように徹した
答えは現場にあるのだから
いつも謙虚な気持ち
自分が名選手でなく選手としての実績がなかったから、自分の体験からの基準、固定観念を持たなかった
指導者としてもゼロからのスタートだったから、自分なりに考え工夫し、試行錯誤を繰り返していった
生徒たちに上からものを言うのではなく、選手と同じ目線で、またどんな人に対してもいつも謙虚な気持ちで選手たちを見られた
「人間力」を極めること
競技のトップになるということは、成績がとっぷだというだけでなく、人間としてもトップを目指さなければいけない
競技のトップを目指そうとすれば、そこまでには色々な人にお世話になり、教えられ、協力、応援があってこそ、成し遂げられるものである
そうした方への「挨拶・礼儀・感謝」は決して忘れてはならないものである
また個人競技の水泳でも決して1人で成長していけるものではない
一緒にトレーニングしている仲間、コーチ、トレーナーなどが周りにいるわけである
そういう方々に応援してもらえる、周りが伸ばそうとしてくれる選手でなければ大成しない
パフォーマンス=「心」×「技」×「体」
選手を育てていくのにそれぞれの個性、何が強く、また何が弱いのかを観察してゆく
精神的な要素が磨かれていない選手、競技センスがイマイチな選手、身体的に恵まれていない選手がいる
逆に精神的に強い選手、技量の高い選手、身体能力の高い選手もいる
そうした要素の中で、どれぞれを掛け算して一番大きくなりそうな育て方を選択していく
成功の原因を突き止めておく
選手が試合で結果が悪かった時には「どうして悪かったのか」と人は良く反省をする
が結果が良かった時は「なぜ良かったのか、できたのか」はあまりその原因を探らない
成功した時の原因をまとめておいたほうが、状態が悪い時の「リカバリー方法」にもなり、また浮き沈みの少ないパフォーマンスを出せるようになると考える
[参考文献]
平井伯昌、折山淑美「泳げ!北島 金メダルまでの軌跡」太田出版
平井伯昌「最高の自分を鍛えるチームの力 なぜ競泳日本は11個のメダルを取ることができたのか?」マガジンハウス
平井伯昌「世界でただ一人の君へ 新人類 北島康介の育て方」幻冬舎
平井伯昌「見抜く力 夢を叶えるコーチング」幻冬舎新書
平井伯昌「平井式アスリートアプローチ 北島康介を育てた親が明かす心の交流術」ベースボールマガジン社
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