ついに今日IRONMANルイビル・ケンタッキー(10月13日)のレース当日を迎えました
2012年にトライアスロンを始めて夢に描いた7年越しのロングディスタンスのレースです
今年2019年、令和元年5月3日に人生の後半戦へのステップにIRONMANレース出場を決意して、紆余曲折がありながらも、やっとスタートラインに立たせてもらえましたことには感謝するばかりです
レース当日の朝
スイムキャンセルのために予定されていたトランジッションオープンが5時30分から7時30分、レーススタートも7時30分から8時30分に変更されました
そのために当日朝のスケジュールが時間的にゆっくりできて余裕が生まれます
時差ボケも含み睡眠のコントロールが上手くとれなかったのですが、基本的に日本出発以来、飛行機の機内でもほとんど動かずに寝てばかりでしたので、眠れなくてもあまり気になりません
朝は5時に起きて準備をしてホテルの朝食の始まる6時から食事を摂り、6時30分過ぎにホテルを出発します
私が今回のレースで一番心配したのが胃腸が弱いためにレース中の腹痛と便意をもよおす事、それとレース途中で補給食を受け付けなくなる事でした
バイクトライアルスタート
レーススタート近くの駐車場に無事に駐車できて7時半過ぎにトランジッションに向かいます
気温は華氏表示なので正確にはわかりませんが、ホテル出発時に車のフロントガラスが凍っていたので0度に近いと思われました
初めはレースウエアにサイクルジャージに上着を着て車を離れましたが本当に寒く、周りのアスリートの完全防寒スタイルを見て、再度車にスウェットズボンを取りに帰りました
トランジッション入退場はわりと自由にできたために、トランジション内のトイレは20、30人の長蛇の列ができていたために、少し離れた外の公衆トイレに向かいました
レーススタートは8時30分からバイクタイムトライアルスタートで2人づつ行われたのですが、レースナンバーの若い方からのスタートであったために、私はレースナンバーが『2371』と本当に最後の方でした
9時半過ぎまで上着を着たまま、バイクシューズもはかずにリラックスして待って実際のスタートは10時過ぎになりました
スタートのイメージはちょうどツールドフランスのタイムトライアルレースみたいな感じです
そして長い一日のスタートです
バイク前半で足がなくなる
寒さは変わらなかったのですが、レースではトライウエアの上にサイクルジャージを着て、バイクスタートをきり、快調にバイクを漕いでゆきます
コースの下見はできておらず、頭の中のコースイメージと実際のコースはかけ離れており、行き当たりばったりが正直なところです
しばらく走っているとあたりの景色は「不思議な国のアリス」に出てくるような美しい景色があらわれ、レースを楽しませてくれます
各種目の前半はフォーミングアップで後半がレースと頭の中では理解していたのですが、一週間くらいトレーニングをひかえていたこともあり、足は軽く何人もの選手をパスし調子に乗ります
バイクペースは時速30キロの今の自分にはオーバーペースで前半を進みました
案の定バイク後半で早くも疲労が足に出だします
それからは少し抑え気味で走るのですが、気にさわる選手に抜かれるとムキになって脚を使ってしまいます
コース的には直線が多いのですが、いくつもの丘を越えては下りと意外とアップダウンがあり脚にこたえます
水分補給、補給食は気を使って進んでゆきますが、少しだけ胃に違和感があったぐらいで、順調に定期的に補っていけました
レース全般で止まらないことを心がけていたので、バイクも180キロをノンストップで終えたのですが、やはり180キロは長いです
限界からのスタート
バイクを終えてトランジッションに向かい、ランギアの袋を取り更衣室へ向かいます
更衣室ではイスが用意されており、ゆっくりランの準備を進めながら補給をとり、気持ちを切り替えて、そしてランをスタートさせます
また前半はウォーミングアップを意識して、走っていくのですが足の疲労感はまずまずって感じのランのスタートでした
レースをスマホで計測したかったのですが、おそらく使用禁止で、計測ウォッチを持っていない私は手段がなく、3周回のランコースですがバイクに続き行き当たりばったりな感じです
おそらく5キロくらい過ぎから急激に脚に疲労があらわれ、10キロくらいには足が終わってしまいました
ロングディスタンスは「限界からのスタート」と聞いてはいたのですが、このことなのかと認識しました
足は棒となり、動かなくなってからの30キロ以上のランの始まりです
きびしいを通り越して、2周回目には泣けてきました
ラン中はエイドのみが楽しみ
1周回に8箇所のエイドステーションがあるのですが、それのみが楽しみで走り続けます
水分補給は水、コーラ、スポーツドリンク、エナジードリンク等々…
補給食は、エナジージェル、バナナ、オレンジ、チップス等々…
エネルギーが切れないように、また気分で飽きないように摂っていきます
最終回にはチキンスープが出されうれしくて頂きました
歩みを止めない、絶対に歩かない
レース全般で止まらないことだけを心がけていたので、ランでも「絶対に歩かない」ことだけを胸に走り続けます
走るといってもスピードはスーパースロージョグで、背の高い外国人の速いウォーキングと同程度のスピードしか出せません
選手の足のふくらはぎには年齢がペインティングされているのですが、69歳の男性、また見るからにお婆ちゃんアスリートにも抜かれる始末です
限界を超えた、耐える、忍従のみの終わりの見えないランが続いていくのです
つたない英語で会話をしたり、レースの決意の想いなどを思い出したり、家族のことを想ったり、色々気分を変えて歩みを進めますが、おそらく一周回17キロの一周が本当に長く感じ終わりません
終わらない1周回が3周回続く感じです
念願のフィニッシュライン
なんとか体を動かし続けるランも歩みを止めなければ、やがてゴールがあらわれます
ながい、ながい3周回を終え、もうとっくに日の暮れた闇の中から、だんだんと明かりが増えて行くダウンタウン中心のフィニシュラインへ万感の想いで向かいます
ゴールが意識できると一歩、一歩悦びが込み上げてきます
ラストのゴールゲートが見えるストレート
スポットライトで明かりに包まれたフィニッシュライン、DJの雄叫び、しゃべり声が聞こえないくらいの歓声が待ち受けていてくれます
今までの全ての苦しみもすべて忘れ去り、もう気分は最高潮、天にも昇る心地とはこのことです
そしてすべてのフィニッシュです!!!!!!
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