筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻 体育系教授
プロ野球の工藤公康、プロゴルファー片山晋呉などのトップアスリートのフィジカルコーチとしてコンディショニングを行う
シンクロナイズドスイミング日本代表チームのトレーナー、日本ゴルフ協会のナショナルチームでオフィシャルトレーナーを務める
どの筋肉を動かしているのか意識する
トレーニングは多くこなせばいいというものではない
何も考えずに決められた30回をこなすのと、動かす筋肉を意識して15回こなすのではもちろん後者の方が成果が早く出るのです
トレーニングの時は「筋肉を動かすことを意識する」ことを徹底させます
「今、どの筋肉を使っているのか」を常に意識して動かせば、自身の筋肉に対する感覚は研ぎ澄まされていくのです
股関節トレーニング
怪我を起こさない予防となるトレーニングは股関節を中心に行うコアトレーニング
コアトレーニングはスロートレーニングで行われることが重要です
股関節は体の根幹をなす関節であり、股関節と肩関節のみが球になっているために可動範囲が大きいのです
股関節には大小さまざまな筋肉や靭帯が集まり、足の自在な可動や体重を支える役目を果たしています
スポーツのほとんどが重心を安定させる股関節の働きが重要になり、中でもインナーマッスルと呼ばれる腸腰筋を鍛えることが最も重要になるのです
これを鍛えるのが「腰割り」です
腰割り
1、腕を前で組み、両足を肩幅より少し広めにして立つ
状態をまっすぐに起こし、背筋を伸ばす
爪先を外側に45度くらいに開き、がに股になる
2、膝をゆっくりと曲げて腰を下ろしてゆく
まずは浅めなので膝の角度は120度くらいでよい
膝が爪先と同じ方向に出ていることを確認しながら、ゆっくりと曲げ、いったん静止してからゆっくりと戻る
これを10回ほど行う
ただし回数にはあまりこだわらず「いた気持ちいい」くらいであればよいです
次に深めの腰割りをする
深めの腰割りになれたらフルバージョンの腰割りをする
メンタルトレーニングは必要ない
一流になればなるほど緊張はしないものです
試合で緊張して実力が出せないといい、メンタルトレーニングをするのは二流以下の手法なのです
緊張をした時は「今緊張をしているな」と自分を認識しながらプレーをしているもの
トレーニングはメンタルとフィジカルの両方を同時に鍛えるものでなくては意味がないのです
10億円の練習をしなければ1億円は稼げない
朝から晩まで、目が覚めているときはもちろん、それこそ眠っている時にもゴルフのことを考えているくらいでなくては、とても1億円は稼げないという片山晋呉選手の言葉
実際にも「勝ち続けて1億円稼ぐ」ためには技術コーチを雇い、複数のトレーナー、専用の練習場使用料、遠征にかかる諸費用など、資金面で万全の態勢を整える必要があります
優勝するためには生活の全てを捧げてもまだ足りないほどの努力が必要になるのです
[参考文献]
白木仁・山岡淳一郎「潜在能力を引き出す力」日本実業出版社
白木仁「トップアスリートがなぜ『養生訓』を実践しているのか」PHP新書
コメント