初動負荷トレーニング❶ 小山裕史

トレーニング

正確なトレーニングは柔軟性を増し、出力・バランスを高め、投球や走力の著しいスピードアップに代表される身体能力の向上を出現させます
パフォーマンス(身体動作)、身体組織と持久性能力の改善等、有意な変革を求めることができます

 

初動負荷トレーニング

巧緻(精巧で緻密)性・スピードを求めた全ての動作では、瞬発的な力の発揮は「初動作」においてであり、「終動作」ではありません

身体の根幹部(中心部)から末端部へ加速度的に力が伝達されて、力が抜けていくことで巧緻性・スピードが得られるのです

ここに着目されたのが、動作の始まりに負荷をかける「初動負荷トレーニング」なのです

 

終動負荷トレーニング

現在スポーツジムに置かれている圧力利用のマシーンを使ったウェイトトレーニングでは、動作の終わりに負荷がかかりやすくなったり、動作の間じゅう等速で負荷がかかるものが主流となります

動作終盤に負荷がかかることによって、身体が硬化状態になり、出力低下につながります

それは根幹部(中心部)で最大の力を起こすべきところを、抑制してしまうことにもなるのです

よって末端で力を起こすことにつながり、いわゆるスポーツで言うところの「小手先の動作」となってしまうわけです

また根幹部の可動域制限をも招き、根幹部の低出力、末端部の過剰負担をも招きます

人体動作のメインパワー

上肢・下肢、上半身・下半身ともに根幹部(中心部)を軸とした回転運動を基調とし、初動作で瞬発的に発揮された力が、この回転運動を滑らかに、そして加速度的に慣性を働かせ末端部に伝達されることによってスピード、バランスを生みます

大きな筋肉、根幹筋の働きをもとに末端部ははたらかせます

末端では力が抜け、軽くなってゆくことになります

 

スポーツ・動作は体の中心で行う

スポーツ・動作は体の中心(根幹部)で行うことによってスピード、バランスを生みだします

また中心で行うことによって、疲労と怪我を防ぐことにもなります

逆に、末端に近づけば近づくほど、動作は硬化を招き、出力が出にくくなり、フォームを崩すことにもなります

それは疲労も、怪我も招くことになるのです

 

 

コンディショニングの核

初動作に負荷を求める形や、大きな可動域をもつ形態でのスクワットやレッグ・プレス等で、根幹部に力を強く出させる形態のトレーニングを行います

根幹部に力を感じ、末端部の使用感や疲労感が少なくなるように、又この状態が出現するまで行います

これがコンディショニングの核で、疲労回復、柔軟性の確保・維持にも優れた効果を持ちます

 

 

 

[参考文献]
小山裕史「新トレーニング革命」講談社

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