室伏広治 ハンマー投げアテネ五輪金メダリスト日本選手権20連勝の男

天才学

かつてのハンマー投げ日本記録保持者の父、重信の影響でその魅力を知り、千葉県成田高校より本格的に競技を始める
2004年アテネ五輪金メダル、2011年テグ世界陸上選手権金メダル、日本選手権20連勝の金字塔を打ち立てた室伏選手の秘密とは

 

目標は勝利至上主義にあらず

勝利至上主義にならず、どうやったらハンマーを遠くへ投げることができるか、いかにプロセスにこだわり、楽しむかという心構えで臨み、記録、メダルの勝利だけを目標とすことをやめた

そしてハンマー投げの完成形を追い求め、長く続けてゆくことにアスリートとしての醍醐味を探し求めた

 

ハンマーを磨くようになってから強くなった気がする

私にとって競技は、投げるだけでは終わらない

投げたハンマーを拾い、グランドに開いた穴を土で埋め、ハンマーを磨き上げて初めて完結する

ハンマーを磨くようになってから私は強くなった気がする

室伏広治のハンマー投げに対する謙虚で、真摯な取り組み、また愛情があるからこそ、のちに世界一を獲得し、金メダリストへと押し上げる原点がそこにあった

 

何からでも誰からでも自ら学ぶ姿勢

「赤ちゃんトレーニング」は健康な赤ちゃんが生まれてから1歳になるまでの過程で、身体で覚えていく動作や姿勢反射を利用し、身体機能や身体感覚を呼び覚まそうとするものを使った体幹トレーニング

「投網投法」漁師が網を投げる際にバラバラに拡散させる方法

「神主さんの足の運び」古来より伝わる伝統芸能の名人の舞の足捌きは、現代人の歩行と比べ理にかなっているところ

室伏はあらゆるものから競技のためになるであろうものは、謙虚に貪欲に取り入れていった

 

自分に限界を作らず、常識を疑う

室伏は年齢的な成長の限界の常識を疑ってかかり、これを超える方法を考えていった

それを超える為に自らトレーニングの改革に乗り出し、開発していったのである

単純な反復トレーニングに体性感覚をプラスして行う、反復運動では得られない同時に適応力が試されるトレーニングを創造していったのである

自分の能力にはまだ使われていない機能があると仮定して、それを総動員させることによってさらにパフォーマンスを上げていくことを図った

規則性の高い環境から離れ、不規則で不安定な運動によって人間本来の体の動きや感覚を磨くトレーニングを取り入れていく

 

目的と目標を定めて最適な軌道を描け

明確な目的と目標が定まっていないと何事も成し遂げられず、またその成果に大きな差が生まれる

いかにして自分の目標に到達するか

このみちは本当に最適なのか

このみちは本当に最短なのか

「目的」と「目標」を混同しないよいうに設定し、自分で創意工夫し、試行錯誤して目標をクリアーしてゆく

 

 

[参考文献]
室伏広治「超える力」文藝春秋
室伏広治「ゾーンの入り方」集英社新書

 

 

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